「良心をもたない人たち」読了

ずいぶん前に話題になった本ですが、やっと読み終えました。

良心をもたない人たち (草思社文庫)

良心をもたない人たち (草思社文庫)

良心をもたない人の見分け方

信じてはいけない相手を、どうやって見分けるか。それにたいする私の答えに、たいていの人は驚くようだ。多くの人は、正体がかいま見えるぶきみな行動や動作、おどすような言葉づかいなどを期待する。だが、私はそういうものの中に、頼りになるヒントはひとつもないと答える。最高の目安になるのは、おそらく“泣き落とし”だと。もっとも頼りになるヒント、平気で悪事をする人びとのあいだでもっとも普遍的な行動は、ふつうの人が予想するように、私たちの恐怖心に訴えるものではない。私たちの同情心に訴えるものなのだ。

良心のない人に対処する13のルール
  1. 世の中には文字通り良心のない人たちもいるという、苦い薬を飲みこむこと。
  2. 自分の直感と、相手の肩書――教育者、医師、指導者、動物愛好家、人道主義者、親――が伝えるもののあいだで判断が分かれたら、自分の直感にしたがうこと。
  3. どんな種類の関係であれ、新たなつきあいがはじまったときは、相手の言葉、約束、責任について、「三回の原則」を当てはめてみること。
  4. 権威を疑うこと。
  5. 調子のいい言葉を疑うこと。
  6. 必要なときは、尊敬の意味を自分に問いなおすこと。
  7. ゲームに加わらないこと。
  8. サイコパスから身を守る最良の方法は、相手を避けること。いかなる種類の連絡も絶つこと。
  9. 人に同情しやすい自分の性格に、疑問を持つこと。
  10. 治らないものを、治そうとしないこと。
  11. 同情からであれ、その他どんな理由からであれ、サイコパスが素顔を隠す手伝いは絶対にしないこと。
  12. 自分の心を守ること。
  13. しあわせに生きること。
サイコパスはしあわせになれるか~最後は敗者に

サイコパスが適切な刺激をえる方法は支配ゲームしかないが、ゲームはすぐに新鮮味を失ってつまらなくなる。麻薬とおなじく、ゲームをしだいに大きく刺激的にしながら、ひたすらつづけねばならないが、サイコパスの資力と才能しだいでそれも不可能になる。というわけで、サイコパスには退屈の苦痛がたえずつきまとう。

サイコパスは『愛も道徳ももたず、慢性的に退屈している』ため、リスクの高い行為を追い求めて自滅していくそうです。

(良心を持たない人は『25人に1人』とありますが、アジアではもっと割合が小さいそうで、なぜなのか解明が待たれます。)