「賭けの考え方」読了
- 作者: イアン・テイラー,マシュー・ヒルガー,フジタカシ
- 出版社/メーカー: パンローリング
- 発売日: 2011/08/12
- メディア: 単行本
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読んで良かった!この年まで生きてきて、誰も教えてくれなかったことが書いてありました。以下覚書。
あなたが考え理解すべき7つの重要な賭けの考え方
- ポーカーのさまざまな現実を理解し受け入れる
- 長期的視野でプレイする
- 金を儲けることよりも正しい決断を下すことを優先させる
- 金への執着を捨てる
- 自尊心を持ち込まない
- あらゆる感情を決断から排除する
- 分析と改善のサイクルを継続的に繰り返す
「ポーカーのさまざまな現実」とは、
- ポーカーは実力と運が共存するゲーム。
- 短期的には運が物を言う。
- 長期的には実力が物を言う。
- ポーカーの利幅は小さい。
- ポーカーは分散の大きいゲーム。
サラーリーマンの「現実」はどうなんでしょう?賭博に比べれば運ではなく「実力が物を言う」ゲーム?「利幅は大きい」のかな?(持ち出しが無い分)。「分散が小さい」ゲームであることは確か。
なぜプレイヤーはティルトになるのか?
まずティルトとは何か?
ティルトとは単に、自分のプレイ能力を下回るプレイをする行為である。
本能的にプレイヤーは、ルーズに、パッシブに、ゲームの状況を熟考せずに、プレイしたがるものだ。プレイヤーがティルトに陥る際の3つの代表的行動が、ルーズに、パッシブに、そして型にはまったプレイをすることなのは、偶然ではない。
要するに、ティルトはあるプレイヤーのプレイスタイルをより原始的なものに後退させるものことが多い。
原因は何か?
伝統的に、ティルトはネガティブな刺激への感情的反応だと考えられてきた。
例があげてあり、予防策もいろいろ書いてあります。これは10代にスポーツしてた頃を思い出して、いろいろ納得。
やめどき
- もはや自分の中のベストなプレイをしていない(すなわち、ティルトになっている)
- あなたは現在のゲームで勝ち目がない(もしくは勝ち目のあるゲームを自分のバンクロール内で見つけることができていない)
ちなみに「勝っているうちにやめろ」というギャンブルの格言は、ポーカーでは当てはまらないそうです。勝ち組プレイヤーにとってはいつでも期待値がプラスなので、ずっと「勝っているうち」が続いて止める必要が無いわけだし、負け組プレイヤーは期待値がマイナスなので、そもそも「勝っているうち」が来ないです。この辺の非情さは「シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」」がわかりやすいです。著者がネットで稼いでいたポーカーを止めたときの事情が書いてあります。カモは本当にカモなのです。
- 作者: ネイト・シルバー,西内啓,川添節子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/11/28
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ポーカーから学べることは?
ポーカーの世界は、実世界の過酷で残酷なバージョンだといえる。我々が社会で与えられているような安全地帯は、ポーカーにはない。全ての最適でない決断、全てのミス、全ての筋の通らない考え、すして全ての勘違いは、ポーカーテーブルでは命取りになる。それはあたかも、ミスするたびに、最初の出勤日であったとしても給料から天引きされる仕事を始めるようなものだ。
ということで、経験豊富なプレイヤーは世界を非常に明晰な視点で捕らえている人が多く、問題処理能力も優れているそうです。ですが、ポーカーでプロになって生活していきたい人への忠告としては、実生活で一流になることのほうが簡単かもということでした。