「大恐慌!」読了
500ページの大作ですが、やっと読み終えました。世界恐慌のときをどうやって生き延びたか、あらゆる階層の人々にインタビューしています。かなり記憶の良い人、ぼんやりとしか覚えていない人、(あまりにもつらかったので)あえて記憶から消している人、今でも夢に見る人、いろいろな人々が語っています。属する階級や本人の知的興味によって、当時の経済状況・政治状況を理解している人、理解していない人、一家言ある人、興味ない人など様々ですが、皆が口にするのは「ローズヴェルト」という名前なので、さすがアメリカ大統領の存在感です。「アメリカが最も赤かった時代」とも言われ、公共事業が推進されたり、アメリカ人が労働運動していたり、という描写が現代人からみると不思議です。(参照:ニューディール政策 - Wikipedia)
私自身の興味で読み進めて今後の教訓になりそうなことを挙げると
【富裕層】
【中間層】
- 持ち家の人⇒配給とかでなんとかなる。
- 賃貸の人⇒大家さんが慈悲深く家賃の滞納を許してくれると何とかなる。家賃の滞納が許されず、退去になると浮浪者になるので、都市部に向かう。家族だとかなり危機的状況、単身だと何とかなるかもだが、いずれにしても貧困層へ。
【貧困層】
皆、家なんかないので都市部に向かう。割と気楽にインタビューに答えている人が多いが、たぶん生存者バイパス。
- 体力・才覚などを持つ人(「身体が資本」)⇒なんとかなる
- この層の弱者はたぶん生き残れなかったのインタビューに出てこない…
住居の確保が重要っぽい。定住したほうが配給とか福祉に引っかかりやすい。どんな状況でも金持ちはいるので、プライドは捨てて施しをうけること(プライドが捨てれずに物乞いができず赤子を死なす若夫婦の話が一番つらかった)
職業では、医者が最強のよう。いついかなる時も仕事はあるので食っていける。報酬なくても働いていて立派と思うが、病気(ワーカホリック)だとも思う。
農業も強い。農作物も暴落するので、借金して土地を失うけど、結局耕す人が必要なので呼び戻されてる。小作農に転落すると労働運動に参加するけど、自分の農地の権利が保障されるとすぐに保守に戻る。
あと「芸は身を助く」かな。